はじめに

2021/08/03

はじめに

初めまして、佐藤 孝と申します。本書を手にとって頂きありがとうございます。

まずは簡単に自己紹介をさせて頂きたいと思います。

1970年代前半、愛知県生まれ。初めて仕事としてPCに触れたのは、知人から頼まれた「名刺をひたすらdBASEⅢに入力する」というアルバイトでした。当時はまだDOS/Vすら普及していない、PC98全盛の時期。学生のアルバイトとして時給700円ぐらいで雇われていました。

社会人として最初に入った会社は、名古屋の小さなITベンチャー。社員10人程度の受託開発をメインとした会社でした。プログラマとしてひたすらコーディングの日々を過ごしつつ、たまーに上司に連れられて、エンドユーザーさんとの打合せに参加する、という感じでした。仕事自体は楽しかったのですが、入社以降ずーっと、とある超絶マイナーパッケージソフトのカスタマイズしかしておらず、「もしやココに居ると、ずーっとこのままなんじゃ…。もっと一般的な言語の仕事がしてみたい…。」と転職を決意しました。

2社目は開発者だけで70名ほどが在籍する、自動車関連メーカーの子会社。親会社の情シス部門が切り出され、受託開発を請け負う小さなSIerとなった会社でした。今考えれば、給料はそれなりに良い金額を頂いていましたし、残業代もきっちり頂ける、良い会社だったと思います。VBやJavaなど、メジャーな言語やOracleを使ったプロジェクトが殆どで、良い経験を積むことも出来ました。また、要件定義からテストまで、十数人ぐらいのチームリーダーもやらせて貰いましたし、人間関係の大変さに胃が痛くなったことも、今では良い思い出です。仕事量もご他聞に漏れず波があり、大手外資系SIerの下に入って残業160時間オーバーのデスマーチなんてのもありました。

歩んできた分野としてはオープン系、OSはWindowsのみ/開発言語はJavaとVB.Net/DBはOracleメイン/キャリアの後半は要件定義・設計を受け持つSE兼管理職/小規模なチームリーダーの経験あり、といった感じでしょうか。

その後独立し、現在は名古屋近くでフリーランスのITエンジニアとして活動しています。

 

この本が目指しているもの

僕がこの本を通して伝えたい事は大きく2つ。それは、「今まさにフリーランスエンジニアになろうとしている人」に向けて、

1.向いていない人を引き留める

2.向いている人の背中を押す

ということ。

曲がりなりにも、先に一歩踏み出した自分自身の経験を伝えることで、何らかの形で役に立てたら良いなと思っています。

とは言え、あくまでも一個人が感じたことですので、参考になりそうな部分は参考にしていただきながらも、御自身でよく考え行動して下さい。この本に書かれていることと同じ行動を取って失敗したとしても、責任は負えませんので予めご了承下さい。

【第2版 追記】

それからもう一つ、

3.フリーランスエンジニアになったあとのステップアップ事例を伝える

を加えられたらと思っています。

 

第2版によせて

初版を書いてから、5年以上の月日が流れました。

エンジニアを養成するプログラミングスクールがたくさん出てきたり、「駆け出しエンジニア」というキーワードをよく聞くようになったりと、エンジニア/プログラマーという仕事が昔に比べて注目されているように感じます。

また、フリーランスという働き方も、より一般的になってきたように思います。

そして、著者自身の働き方も大きく変わりました。

初版を書いた頃は、いわゆる「エージェント」と呼ばれる業者さん経由で仕事をもらっていました。

当時は、

  • エージェントさんに相談して「こんなのどう?」と挙げられた中から仕事を選ぶ。
  • 過去の経験から、JavaもしくはC#の案件がメイン。
  • 客先常駐が当たり前。もちろんスーツ着用。

という状況でしたが、第2版を書いている現在、

  • Twitter経由でお仕事の依頼が来る。
  • エージェントは介さず、直接契約。
  • PHP案件(Laravel + Vue.js)がメイン。
  • 地方在住のまま、東京の案件にフルリモートワークで参加。

と仕事環境が大きく変わっています。

エージェント経由でお仕事をもらっていた時は、今までの働き方とあまり変わっていなかったため、「収入が少し良い分、フリーランスもありかな?でも積極的におすすめはできないな…」という感覚でした。

ですが現在は、上記に書いたようにかなり柔軟な働き方が出来ているため、きちんと経験を積んだエンジニアの方であれば、フリーランスへの転向もそんなに悪くはないかな、と感じています。

どのようにしてこの環境に移ったのか?なぜそれが出来たのか?も含め、第2版として内容を書き足してみようと筆を執りました。