再チャレンジ

2021/08/11

わがままを言ってみた

そして経済面をリカバーするため、久々にエージェントさんに連絡してみます。

と、そこで思い出しました。東京のほうでは、週に3日だけ働く案件がチラホラあるらしいのです。

普通に客先常駐してしまうと、平日昼間の時間に自由が効かなくなります。例えば、Webサイト制作を依頼してくれたお客さんと、直接会って打ち合わせをしたいときや、自分でセミナーなんかを開きたいと思ったときに、時間がとれず困ってしまうわけです。

名古屋にもそういった週3の案件があれば…。そう思ってエージェントさんに相談してみます。

…が、

「うーん、名古屋じゃ聞いたこと無いですねぇ…。」

とのこと。簡単に引き下がりたくないので、他のエージェントさんにも聞いてみました。

「確かに、そういうのがあっても良さそうだね。ちょっと探してみようか。」

と、仰っていただいた方も居たのですが、結果は芳しくなく、「現場サイドで嫌がられるんだよね。なかなか難しいみたい…。」と、だんだん諦めムードに。「週4でもいいですっ」とお伝えして、もう少し粘ってみます。

とは言え、そうやって探してもらっているうちにも、時間は過ぎていきます。その間、収入は殆ど無いわけで、焦りがつのります。

「この条件にこだわっていたら、ずっと見つからないかも…」

結局、わがまま言うのはやめにして、以前と同じように「月に2回、平日に休みます」という条件に戻して探してもらうことに。この程度の条件であれば、取りあえず通常通り面接まで行って、その場でエージェントさんが「実は彼、少々事情がありまして、月に2日ほどお休みを…」と切り出す形になるので、案件の候補数が一気に増えるのです。

驚きの下請け構造

そして始まった面接の日々。

週3案件が無いものか?と別のエージェントさんにも聞いてみたがために、2社に並行して探してもらいつつ、早く決まったほうに行く、ということになりました。(両方共に「もう1社探してもらってるところがあるので、もしかしたらそちらに決まってしまうかもしれません。」ということはきちんとお伝えし、了承いただいた上で依頼しました。とはいえ、なんだか申し訳ない気持ちになるので、複数社への同時依頼はオススメしません。)

2社のうち、1社は以前お世話になったところ(以降、A社とします)。もう1社(以降、B社とします)は、今回初めて案件を探していただきました。

さて、B社の営業担当さんから連絡があり、面接の日時が決まったとのこと。当日、まずは予定の1時間ほど前にB社にお邪魔して、営業さんと簡単にミーティング。

「ちょっと早いかもしれないけど、行きましょうか」

とBさん。早めに移動を始めました。

面接場所とおぼしき場所まで行くと、Bさんが面接担当の方を見つけ、挨拶を始めます。自分も紹介していただき、ご挨拶。

「じゃ、あとはCさんに任せてあるから、付いていってね。」

とBさん。あれあれ?Bさん、帰っていきますよ…?面接、同席してくれないんでしょうか?

と思っていたら、どうも、このCさん、面接担当の方ではないようです。

「じゃ、行きましょうか。」

と、Cさん。言われるがまま、付いていきます。

さっきの場所も面接場所ではなかったようで、また移動し始めます。そしてしばらく経って目的地に到着。Cさんが面接担当の方を見つけ、挨拶を始めます。自分も紹介していただき、ご挨拶。

「じゃ、あとはDさんに任せてあるから、付いていってね。」

ええっ!?Cさんも帰っていきますよ?あららら、どうやらこのDさんも面接担当では無いみたい。

「すぐそこだから。」

とDさんに連れられてビルの中へ。エレベーターを降りて、それらしき会社の中へ入っていきます。ふー、やっと面接が始まるようです…。

とまぁ、なんと驚きの多重構造…。自分とエンドユーザーの間に3社入っていたというコトのようです。

Bさんが「多分50万は渡せると思うよ」と仰っていたのですが、とすると、間でどれくらい抜かれてるんでしょう…?

具体的な数字は知る由もありませんが、仮に抜かれる金額は少ないとしても、案件が続いている間は毎月毎月お金が落ちていくわけです。しかも、社員でもなんでもないので、定期的なフォローや福利厚生も必要なく、基本はほったらかしです。(最初はたまに様子を見に来つつ、ランチをおごってくれたりしますが)へんなトラブルが発生しない限り何もしなくてもいいので、結構おいしい商売なのかもしれません。(が、逆に”揉めるヒト”を掴んでしまうと、後始末がとっても大変みたいです…。)

コラム 「支払いサイト」のこと

実はこの時期、もう一社、話を聞きに行きました。おそらく、フリーエンジニアへの仕事斡旋としては一番のパイオニアかと思われる、P●-BANK(旧社名:首●圏コンピュータ)さん。名古屋にも営業所があるようで、アポを取って「フリーランスへの転向を検討中」というスタンスを取りつつ、お話を伺いました。パイオニアである=案件量も多いだろうと思い、一度聞くだけ聞いておこうと思ったのですが…。

結論を言えば、お勧めはできません。すでに支払いサイトの話を書いたのでお分かりいただけると思いますが、支払い条件が「最短でも、月末締めの翌々月払い(=約60日後!)。エンドユーザーからの支払いに合わせているので、それより長くなる可能性もある。」と、耳を疑う内容でした。電車内の広告だったと思うのですが、マージンを公開していてエンジニアへの還元率が高いと歌っていた記憶がありました。なので、エンジニアを大切にしてくれる企業だろうというイメージもあって、わざわざ聞きに行ってみたのですが、ちょっと残念…。

ちなみに、実際に利用したエージェントさんの中で、支払いサイトが最も短かったところは、月末締め翌10日払い(=10日後)でした。また、業界大手のレバテックさんも翌月締め翌15日(=15日後)払いとオススメです。

ハズレ案件を避けるために

それほど案件の数をこなしているわけではないのですが、今までの感触から「どんな案件を選ぶべきか?」についてお話しておきたいと思います。

まずは、絶対に避けたほうが良いパターンから。

基本的に案件のよしあしは、面接のときに分かります。

と言っても、案件の情報自体は事前に聞いているのが普通ですし、面接でも大抵はその情報をなぞって確認するだけ。

面接のときにチェックしておきたいのは、仕事の内容よりも、勤務する場所がどんなところか?ということです。

例えば、面接担当の人がわざわざ「この職場、人もよく辞めていくし、いまいち雰囲気悪いんですけど、まぁ気にしないで下さいよ。」なんてマイナスな情報を伝えることは無いでしょう。でも、周りの情報を敏感に嗅ぎ取れば、多少はそういった情報が分かるかもしれません。

ビルに入った瞬間から、周りのあらゆる情報を必死になって収集して下さい。

特に耳から聞こえてくる音は重要です。

給湯室から笑い声が聞こえるでしょうか?

遠くで誰か怒鳴ってたりしませんか?

活気のある職場でしょうか?

フロアの広さや、人の数はどれくらいでしょう?

コンビニで買い物して帰ってきた人は辛そうでしょうか?笑顔でしょうか?

オフィス内でお菓子や飲み物はOKでしょうか?

また、ある程度の期間、その場所に勤務するとなれば、仕事以外の部分も結構重要です。

特に、出来ればトイレを一度見ておいたほうが良いかと思います。和式のみだったりするとつらいですし、ちょっと疲れたときに、人の目を気にせずホッとできる場所として、重要な場所になります。理想的なのは、ワンフロアが大きくて、たくさんの人がいるパターン。トイレ内の個室の数も多めに設置されていますので、焦らず利用できます。小さなビルだと個室が1つのみということも多く、ゆっくり休憩、じゃない、用を足せませんから…。

それから、面接の開始時刻も手がかりになります。19時以降だったりすれば、そもそも「その時間に人が居る=残業してるのが普通」という会社かもしれません。

ある面接では、「スケジュールがタイトで、すでに燃えはじめています…」というのが会話の端々から伝わってきたこともありました。その面接担当の方が優しそうな人で、助けてあげたい気持ちもあったのですが、結局、帰り道にエージェントさんとも相談してパスすることに。つらい案件に入ってしまうと、自分だけではなくエージェントさんもフォローが大変になるので、大抵はきっぱりと「あれはダメです。やめましょう。」と言ってくれます。

選ぶ基準としては、大きく二つに分かれるかと思います。

一つは自分の技術向上を目指すパターン。

特にITの業界は、たくさんのスタートアップが出てきて、エンジニアが不足している状況が続いているようです。技術を磨きたいのであれば、メンバーが若くてスピード感のあるところで経験値を上げるのが良いかと思います。

その場合は、新しい技術を使っている小さな会社での案件になるかと思います。自分の成長と言う点では良いのですが、デメリットとしては負荷が高くなりがちです。

もう一つは安定を目指すパターン。

僕の場合、常駐エンジニア以外の仕事(自分で直接請けたWebデザイン等の仕事)の時間を確保したかったので、こちらに当てはまります。この場合は、重要なのが以下の二点。

  • すでに運用・保守フェーズであること
  • 常駐先が大企業であること

定時で帰りたいとなれば、仕事内容が単調になりますが、運用・保守フェーズで細かな仕事をこなしていくほうが良いでしょう。

また、母体の大きな企業であれば福利厚生もしっかりしており、社員の働き過ぎにも敏感です。例えば水曜日は定時退社の日になっていたり、過労に対する対策が何かしらされていたりします。絶対とは言えませんが、国内電機メーカー系のSIerがオススメでしょうか。逆に、大手でも(これまで関わった中での、なんとなくのイメージでしかありませんが)外資系SIerや、常駐先が自動車系の案件は厳しそうな気がします。

どちらにしても、大切なのはエージェントさんにきちんと意向を伝えておくこと。何も言わないでいると、スキルセットだけ見て、マッチしそうなものを選ばれてしまいます。

なかなか見つかりにくそうな条件だったとしても、きちんと意向を伝えておけば、誰かが転職して欠員が出たときに声がかかるかもしれません。具体的に「こういう案件を希望します」と依頼しておいたほうが良いかと思います。

初版執筆時、筆者はこの安定パターンに居ましたが、開発者としてのスキルアップという面からすると、まったくオススメできません。自分自身でも危機感を抱くほど、プログラミングスキルを使っていないのです。ですので、ただ単に「楽なほうがいい」という理由で後者を選択すると、数年後にかなりまずい状態になります。ご注意ください。