無名のおっさんがポッドキャストを100回(約2年)配信するとこうなる、というお話(ダウンロード数グラフ付き)

2020/02/07

最近、割と盛り上がりを見せてる音声コンテンツ。

まったく無名の40代後半・アラフィフのおっさんがポッドキャストの配信を週1ペースで約2年かけて100回継続してみたら、こんなことになりました、というお話です。

お断り

今回、数値等も公開していますが、「ブログで月に何十万PV!これでプロブロガーとしてやっていけるゼ、ヒャッハー!」の世界と比べてしまうと、かなりショボイです。

「それだけ労力・時間かけてこんだけ?」と思われてしまうかもしれませんが、

  • やってる人が無名。
  • そもそも Podcast 聴いてる人ってまだまだマイノリティー。
  • ブログで「SEO対策としてキーワード選定する」みたいなハック手段がポッドキャストには恐らくない。
  • アクセスアップの施策を大してやってない。
  • もちろん広告とか出してない。

という状況なので、「ノンビリやると、こんなもんなんだなぁ…」という、しょぼいベンチマーク(基準)として捉えて頂けたらと思います。

一つ言えるのは、「もういちど2年前に戻っても、(こんな面倒な)ポッドキャスト配信、やります?」って聞かれたら、即答で Yes って答えます、ということ。

今のところ広告収入が入るわけでもないし、予想以上に手間がかかって大変…というポッドキャスト配信なんですが、それなのになぜ「Yes」なのか?についてもご一読いただけたら嬉しく思います。

「数字だけ見たいんじゃーい!」とお急ぎの方はこちら

プロフィール

現在49歳、地方在住のフリーランスエンジニアです。

技術的に大したことないので、「リモートワークできるお仕事探してます!」「しーーーーん…」という感じで、たまに仕事にあぶれてヒーーーッ!って言ってます。(一応、エンジニア経験だけは長いので、仕事選ばなければすぐ見つかるんですけどね。)

「Tech系フリーランスが選ぶ最近の気になるトピックス」というポッドキャスト番組を配信しています。

きっかけ

Tech系ポッドキャストと言えば Rebuild fm さん。

ファンもたくさんいらっしゃって、「この番組すごいなぁ…。」と憧れたのがキッカケ。

有料スポンサーや Patreon の有料サポーターさんもいらっしゃるので、「あれぐらいすげー人気者になったら、プロの Podcaster としてウハウハになれるんじゃ…!?」という下心もありました。

さらに言えば、仮に収入には繋がらなかったとしても、「多くの人が聞いてくれているメディア」を自分で作ることができれば、個のエンパワーメントみたいなことが実現できるなぁ、なんていう思いも。

例えば、新サービスをリリースしようとしているCEOとか、イベントを開催するので人を集めたいフリーランスの人とか、エンジニアが足りないので採用したいという経営者に対して、「うちの番組で紹介してみません?」みたいなお声がけが出来る立場になれば、プログラミングスキルとは別の形で、誰かのお役に立つことができるのではないかと。

番組の内容

さてさて、「やらずに後悔するよりは、ともあれやってみよう」の精神で、あっさりと配信することを決心。

問題は、どんな番組にするか…。

無理せず続けられる内容は…?と考えたときに、長い期間「ついやってしまっている行動」として、Tech関連ニュースのチェックがあるなー、ということに気づきました。

まだやってんの?と言われそうですが、 Feedly でRSSを登録しておき、ちょっとした隙間時間にニュースをチェックする、というのが日課になっています。

この自然にインプットしている情報を、自分で好き勝手にキュレーションしつつ、数分ぐらいの短い時間で音声で伝える、という番組にすれば、ブログのようにネタに困ることはなさそうです。

また、通勤中に耳から聞いてもらえれば「お、便利じゃん?」と聴き続けてもらえるかもしれません。

ともかく、出来るだけ自分に負担が少ない状態で続けられるように、「自分が興味を持ったテック系ニュースを紹介する」番組としました。(その後、少しずつ変わってます。)

配信、予想外にメンドいんですけど…

さて、Podcast配信の準備については、僕も寄稿している

に詳しく書かれていますのでサラリと流しますが…。

ともあれ、すでに自分のブログサイトは立ち上げていたので、安いレンタルサーバーに WordPress + PowerPress Podcasting plugin という構成。

PowerPress ならどれくらい聴かれているか?のデータをメールで送ってくれたりもします。

ここの構築部分は慣れているので、それほど苦も無く進められました。

が、問題は淡々と配信する作業です。

最初は良いんですが、さすがに段々と面倒に…。

配信する音声は10分程度の番組なんですが、

  • ネタをピックアップして自分が読みやすいように原稿準備。これだけで1時間ぐらいかかります。「ん?ここはどういうこと?あれ、この記事、信ぴょう性なさそうだから使えない…。この長い文章をまとめると…」なんて感じで、自分の中でアレンジして伝えようとするだけで意外に時間かかります。
  • 収録で30分ぐらい。きれいに喋ってるように聴こえると思いますが、けっこうカミカミです。また、道路に面した部屋ということもあって、トラックが通り過ぎるのを待ったりすることもあります。
  • 編集で1時間ぐらい。インタビュー回だともうちょっとかかります。聴きやすいように、とか、ゲストさんがキビキビ喋っている印象になるように間を詰めたり、とかやってると、なんだか随分と時間がかかったりします。
  • 配信+Twitter告知で20分ぐらい。基本、原稿として用意したテキストを整形してWordPressにコピペ。mp3アップして、公開して、Twitterに投げ込んで終了!

と、まぁ、トータル3時間ぐらいかかってることになります。(慣れた現時点でこれくらいです。)

変化その1

配信をスタートしてしばらくしてから、 淡々と記事を伝えるだけ、というのは面白くないなー…と思い、勉強会で知り合った方へのインタビュー音声を配信する、というのを試しに始めてみました。

インタビュー音声は結構な長さになるので、前後編に分けたり、4回ぐらいに分割して15分ずつ配信したりと試行錯誤。

Twitter や オンラインコミュニティーで知り合った「オモシロそうな人」にじっくり話を聞くという機会を創れるので、これはこれで役得だなぁと思いつつ、色々な方に声をかけてみました。

ただ、 後から気づくのですが、収録に一時間半から2時間ぐらいのお時間を頂いてしまう割には、無報酬でインタビューさせていただく形なので、先方にとっては大したメリットがありません。

またネットで見かけただけの方に対して安易にインタビューのオファーをして、丁寧に断られたという苦い経験もあり、最近は インタビューのお願いをするというのはかなり慎重になっています。(個人開発されてる方とか、フリーランスだとか、ちょっと変わったことされてる方でゲストに出てみたい方!もしいらっしゃいましたら、お声がけくださいー。)

変化その2

週に1回の配信をスタートして、7ヶ月経った頃でしょうか。 Podcast番組 aozora.fm を配信されていらっしゃる FORTE さんから Twitter で番組宛にコメントを頂きます。この辺りから、ちょくちょく番組宛のコメントを Twitter 上でいただけるようになりました。

逆に言うと7ヶ月間全く反応がなかったわけで、今考えるとよく続けられたなと思います。

ポッドキャストは耳から聞けるので、通勤中の歩いてる間も「ながら聴き」ができ、コツコツとインプットの時間を増やしていけるのが特徴です。

なので学習意欲の高い方にとってはとてもお勧めのツールなんですが、その反面「リアクションを起こす」のに非常に敷居が高いメディアでもあります。

ブログや Twitter であれば、気軽にシェアボタンを押して拡散をするのが可能ですが、 聞いている状態から、一旦手を止め、スマホを取り出し、わざわざコメントを書き、SNS等に投稿する…というのは、相当面倒な作業です。

このことは頭では理解していたので、相当長い期間、誰からも反応はもらえないだろうな…という心づもりはありました。

この「最初から期待し過ぎない」というのが、続けられた原因かもしれません。

変化その3

配信スタートして1年が経とうとする2019年2月ごろ、「春のポッドキャストまつり」というのを企画しました。

単なる思い付きだったので、知り合いのポッドキャスターさんや、あわよくばその周囲の方が数人ぐらい参加してもらえれば良いかなー、なんて思いつつ開始。

FORTE さん にもご協力頂き、いろいろな方にお声がけしていったら、最終的に約70ものポッドキャスト番組に参加いただくことが出来ました。

これによって何か直接的な利益があった訳ではありません。逆に「やべぇ、こんなに集まっちゃったら多少お金かけてプレスリリースぐらい打たないとまずいよなぁ…」と持ち出しがあったぐらい。

ですが、それからしばらく経った夏の終わりごろ、リスナーのまめハッカーさんから Twitter でDMを頂きまして、何名かのエンジニアさんと集まってビアガーデンに行く、ということになりました。

そこでお聞きしたのが「聴いてるいくつもの番組で”春のポッドキャストまつり”って言ってて、S(エス)さんの番組にたどり着きました」というお話。他にも、同じようにおっしゃるリスナーさんがいらっしゃって、しみじみ「ほんとに単なる思い付きだったけど、やってみて良かったなぁ…」と思うのでした。

このまめハッカーさんとの出会いは、個人的に大きな変化点だった気がしています。

その後もリアルな友人として、名古屋で開催されるフロントエンドもくもく会などのIT勉強会でお会いしたり、飲みに行ったりと交流していただいてます。

100回配信記念

ようやく100回の配信が見えてきたので、100回配信記念のイベントを企画しました。(2020/01/28・火に開催済み)

これは、おそらくまめハッカーさんという、「リスナーかつ気楽に話せる友人」がいなければやらなかったと思います。

というのも、「100回配信記念としてイベント開催しますっ、リスナーさん、参加してね!」「しーーーーん…」ってなる状況が容易に想像できるんですよね…。

なので、「もし誰も来なかったら、まめハッカーさんとサシ飲みできるので、それはそれでいいなー」ぐらいに考えてました。(なので、事前にまめハッカーさんと予定を調整して、開催日を決定しました。)

結果、自分以外に4名のリスナーさんに参加していただくことが出来ました。(自分の番組よりもおそらく何倍もリスナーさんの多い「ごりゅごcast」のごりゅごさんにも参加いただきました。)

参加していただいた皆様、ほんとにありがとうございましたっm(_ _)m

数字とか

さて、これまでのダウンロード数などなど、実際の数字を紹介しておきたいと思います。

ちなみに数字は、PowerPress Plugin を提供している Blubrry さんから送られてくるレポートを元にしています。(ダウンロード数をどうカウントするか?ってかなり曖昧なのですよね。なので、自分でカウントすることはせず、ポッドキャスト配信のプラットフォームも運営されてる Blubrry さんのデータを使っています。)

グラフにした画像を貼っておきますが、ざっくりまとめると、

  • 100回配信した時点で、およそ25,000ダウンロード
  • 定期的に聴いてくださっているリスナーさんは推定で200~300名ぐらい(配信して7日後時点のダウンロード数をリスナー数と推定しています。)

という状況。単純に割り算すると、月間で約1,000ダウンロード。

ブログなら2年間の運営で月間1,000PVは難しくないと思うので、単純に数字だけ比較すると「うーん…」という判断かもしれません。

テキストより大変ですし、広告収入も見込めませんしね…。

ポッドキャスト「テクフリ」ダウンロード数グラフ

(トータルダウンロード数は必ず右肩上がりになるので、配信される方はたまにグラフ化してみると、やる気が出てオススメです(^_^;))

ポッドキャストを聴いているプラットフォームとクライアントの解析データも載せておきます。

 

また、補足情報としては、Pixiv FANBOX を使って有料サポーターさんの募集もしておりまして、こちらは現在3名の方が応援してくれています。(月額100円なので気楽に課金していただけているのだとは思いますが、ほんとにありがたいことです…(T_T))

まとめ

さてさて、この結果…いかがでした?

数字的には全然いけてない…と判断されそうですが、とは言え、

  • 声でパーソナリティーが伝わり、親近感を持ってもらえる
  • 基本、あたたかいレスポンスを頂ける
  • ポッドキャスターさんと横のつながりができる
  • 気の合うリアルな友人ができる

といった、情緒的な報酬を考えると、現時点の感想としては、「面白そう…と思うなら、是非ポッドキャストの配信にトライしてみてください!」とお伝えしたいと思うのです。

現時点では Anchor 等の簡単に始められる環境もありますし、敷居はかなり低くなっています。

多くの方が、自分の趣味や仕事について、音声の形で配信を始めてくれたら嬉しく思います。

(ただし、「お金になるのでは?」という収益目当てであれば、現状は相当に難しいと思うので、お勧めしません。おそらく近いうちに Spotify さんが広告挿入によるマネタイズ手段を日本でも導入してくるのではないかな、とは思っていますが、お金が動機だと、おそらく長くは続かないと思います。よほど YouTuber の方が収益性高そうですし…。)

と言う訳で、「Tech系フリーランスが選ぶ最近の気になるトピックス」をよろしくお願いいたしますっ。

ポッドキャストを配信されていらっしゃる方へ

拙い記事をお読み頂き、ありがとうございます!もしポッドキャスターの方で、「うちの番組の宣伝してほしい」と思われる方がいらっしゃいましたらお声がけください。

既にお分かりのように影響力はまったく無いですが、テクフリの番組内で紹介させて頂けたらと思っております。

第100回↓の配信、08分07秒 辺りで ふぁんFM を配信されている ふぁんさん (@fan_tech_) さんにちょっぴり登場していただいていますが、こんな感じで2~3分告知していただくのをイメージしてます。

100.情報収集はTwitter/5大SNSはどう変わった?/PlatCast■圧倒的感謝! | TECHFREE

また、「春のポッドキャストまつり2020」もいい加減準備をせねば…と焦っているところ。

ちなみに今回は、「初めてポッドキャスト使いました!」な人が増えるように、ベタな企画ですが

  • 各番組で何かしらプレゼントを用意していただく(モノじゃなくても、目覚まし用の音声とかゲスト出演権など、それぞれの番組らしいプレゼント)
  • 応募条件は「●月●日~■月■日の期間中に」「番組のハッシュタグ+春のポッドキャストまつり用ハッシュタグ」をつけて Tweet する
  • Tweet を見た人が「ポッドキャストってなんなの…?」と思いつつ聴いてみる
  • ポッドキャスト利用者が増える(^_^)

という形にしようかなと思っております。

「準備できたら案内欲しい!」という奇特な方がいらっしゃいましたら、以下の Google Form にて連絡先アドレスだけ残してやって頂ければ幸いです。