みんな大好き、お金の話

2021/08/09

確定申告まで、あと2週間!?

次の案件が決まったのはいいけれど、気がつくと2月が終わろうとしています。当時は「確定申告って、自分もやらなくちゃいけない…の…?」という状態。「やばい…いい加減に手をつけねば…」と重い腰を上げたとき、すでに残された時間は約2週間でした。

ネットで安い税理士さんを探してみたりもしましたが、一番安いところで5万円弱。この金額自体、払えない額ではないけれどかなり痛い金額です。それにお金に関しては、自分自身できちんと把握できるようにしておいたほうが良い気がしますし、最初から人に頼むのも、なんだか「なまけもの」のような気もします。

悩みながらも、ともかく、まずは自分でやってみることにします。どうしても税理士さんの助けが必要になったら、そのときにまた考えればよし、と言うことで。

となると、お次はツールをどうするか。これまた悩むところです。経理と言えば、●●会計がメジャーですが、確か数万円かかるはず。当時、クラウド会計のfreeeが徐々にメジャーになってきた頃でしたし、あたらしモノ好きというのと、ともかく無料体験できる、という理由から、まずはfreeeを試してみました。

しばらく使ってみて分かったのは、ともかく「どの勘定科目を使って仕訳をするのか」が一番つっかかるというコト。

例えば「書籍 仕訳」というように、単語に「仕訳」をつけてグーグル先生にお聞きすればすぐに分かることではあるんですか、何しろレシートは結構な量がたまってます。ともかく、慣れて仕訳を覚えて、処理スピードを上げていく…。しばらくそんな作業が続きました。

クラウド会計は本当に便利か?

結果的に、freeeの個人事業主向けコースを契約しました。なにしろ、無料のままでは肝心な決算書が出せません。

使い勝手ですが、会計のことがよく分かっていない素人には取っつきやすいかと思います。

気に入った点としては、

  • 銀行口座やクレジットカードと自動同期してくれる。逆に、同期対応されていないマイナーなクレカに対しては怒りを覚え、そのカードを使わなくなる。
  • 常にバージョンアップしていて、機能が追加されていく。ある日久しぶりに使おうとしたら、UIがずいぶん変わっていて戸惑うことも。

という点でしょうか。

その後、さすがに自分で経理処理をし続けるのが嫌になって、ランサーズで税理士さんにお願いすることにしました。何名かの方からご提案・お見積りいただいたのですが、おおよその相場としては、毎月の仕訳/記帳作業が5,000円~10,000円。確定申告時に別途3万円~数万円がかかるようです。

現在は、月額6,000円(+税)、確定申告時に4万円(1万円ずつ分割払い)でお願いしています。

また、依頼した際に Money Forward に乗り換えました。Freee は初心者には取っつきやすいのですが、分かっている人からすると、逆に使いづらい部分があるのだそうで、仰せの通りに切り替えたのでした。(あくまでも一例ですので、ご自身の使いやすさや依頼する税理士さんと相談しながら決めた方が良いかと思います。)

税金ってスゴイ金額なのね

サラリーマンの時、毎月の収入をExcelに記録するようにしてたんです。わざわざ給与明細見ながら、○○手当てがいくら、残業代が今月はいくら、って。

かなり少数派だと思うんですが、これ、割とお勧めです。「基本給1,000円だけ上がってる…」とか「あれ、なにこの”介護保険料”って…。先月まで項目なかったんですけど!?」とか、細かな変化に気づけます。(40歳から介護保険料がさっぴかれる、なんて誰も教えてくれなかった気がするんだけどなぁ…。)

ついでに、「もし残業がゼロだったら、自分の年収ってどれくらいなんだろう…」なんてのも調べられますし。(たいていそんなコトを調べたくなる時って、転職したい!願望に駆られてるときなんですけど。)

と、お金については意識していたつもりだったんですが、実際には「毎月の給与はだいたいこんなもん」と手取り金額だけ見ていたように思います。で、この感覚のまま「フリーランスになったら年収は…」と皮算用してしまうと嵌ります。(経験者は語る…。)

広告なんかでよくあるのが、「フリーエンジニアで年収UP!」のような煽り文句。確かに、毎月の給料30万円ぐらいの人から見れば、「月50万~」なんて広告を見れば、「今の会社だと30万×12ヶ月+ボーナス年間4ヶ月分とすると480万。50万かける12ヶ月は…600万!」という感じで年収がかなり上がるように見えるんですよね。

ところが、フリーランスになって俄然実感するのが、税金や社会保険料という、いわゆる「生きていくための隠れたコスト」というやつで、「え、今までこんなに払ってたの?」と驚くことになります。

なにしろサラリーマンの時には、天引きされる部分なのでどうしようもありません。考えてもムダ、という意識が強く働くようで、僕の場合、毎月の金額をExcelで見ていたはずなのに、全然意識できていませんでした。

ちなみに、今、ご自分が支払っている所得税や住民税の金額ってパッと答えられますか?年収その他の条件で大きく変わりますが、日本人の平均年収400万円ぐらいを例にすれば、所得税、住民税合わせて年間20万~25万ぐらいになってるかと思います。

この金額が月割りされて、少しずつ天引きされるのでそこまで痛みを感じませんが、フリーランスになると、これを一度(所得税は一括、住民税は一括もしくは4回分割)に支払わなければなりません。

そして税金以外にもまだあるんです。

社会保険料:              健康保険、年金(合わせて月額約4~6万)は今まで会社が半分出してくれていました。これが全額負担になるわけです。

交通費:                      今までは全額会社もち。地下鉄一駅分を歩いて浮かせてる人も結構いらっしゃるんでは?月に2~3万円、全部自腹になります。

と、まぁなんとも恐ろしいコトに後になって気付いたんですよね…。隠れたコストってこんなに高額だったんだな、と…。

そうすると、先ほどの計算で480万→600万に大幅UPだったはずの計算がかなり狂ってきます。感覚的な例えですが、「年間120万円UPということは毎月10万円も収入が上がる!」と思ってたら、「ナニコレ!?今までより月額で1~2万増えただけじゃん!」なんてコトに。

この辺りの税金や保険料といったお金関係は、ぜひ事前に緻密なシミュレーションをしておいて下さい。

高額年収のウソ

お金の話が出てきたので、収入についても書いておきます。

たまに目にするのが、「フリーエンジニア大募集!年収●00万円!」みたいな広告。●には7~9のぐらいの数字が入るかと思います。

首都圏だと高額なのかもしれませんが、名古屋でフリーエンジニアとして働いている実感としては、月に45~60万円というのが相場のようです。Javaや.NETなんかのメジャーな言語でもこれくらいではないかと。告知では大きな金額が書かれていても、結局話を聞きに行くと、先方から出てくる数字って、少し下のレンジなんですよね。逆に言えば、少なくともこれくらいの金額の仕事はすぐ見つかる、ということでもあります。

単純に12倍すれば年収540~720万円という事になるんですが、これを安いと見るか高いと見るかは、やはり今までの職場環境によります。

気をつけなければいけないのは、ご自身の頭の中で捉えている「自分の年収」の計算方法。

ある人は、残業代が付かない会社で、手取りだけを見て「自分の年収は300万」と考えます。

またある人は、残業代がすべて支払われる会社でデスマーチに参加しつつ、土日出勤をこなしながら、残業代すべてひっくるめて「自分の年収は700万」と考えます。

こうなると、数字だけ比較しても意味がありません。手取りで考えるのか税引き前で考えるのか、残業代を含めるかどうか、きちんと基準を作って計算する必要があります。

フリーランスでの案件で多いパターンは、例えば「月額60万円、ただし月間稼働時間160時間~190時間まではこの金額のまま。この範囲を超える場合は時間単価○円として調整する」という計算方法です。つまり、金額に30時間までのみなし残業が含まれている、ということ。(150時間~200時間など、案件によって少し変わります。)

これを踏まえると、年収の計算方法としては「残業が30時間だった場合の、税引き前金額(総支給額)」を基準に考えると良いかと思います。

その金額と、十分に狙えそうな金額(=月50万円)×12ヶ月=600万円とを比べてみて、収入以外のメリット・デメリットとを考慮して判断する必要があるんじゃないでしょうか。

個人的な感覚としては、フリーランスのデメリットは結構大きいと感じていますので、(金額面だけで言えば)年間70万円以上の年収UPにならないのであれば、普通に転職して正社員になったほうが良いような気がします。

念のために書いておくと、大きなローンは確実に組めなくなりますからご注意を。マイホームを買いたいと思っている人は、サラリーマンのうちに買うか、諦めるか、ビッグになって現金一括で買うか、のいずれかになります。例え資金を集めて株式会社を立ち上げたとしても状況は変わりません。銀行から見ると「将来どうなるか分からない人」としか映りませんので、個人事業主も、経験の浅い社長も同じように大きなお金は怖くて貸せないのです。