エンジニアへの復帰

2021/08/14

食い扶持をどうするか?

さてこうなると、収入をどうするか?という大きな問題が発生します。

とにかく生活費を稼ぐための仕事を探さなければなりません。相変わらず、コンサルタントの仕事は全く軌道に乗っておらず、たまに相談が来る程度。自分でセミナーを主催して、見込み客を集めて…なんてことはしていたんですが、思ったようにはうまく行っていませんでした。

となると、選択肢として一番堅実なのは「エンジニアに戻る」という道です。

2回目の出戻り

この時は割と焦っていたこともあり、「ぬるま湯」と書いた以前のSES案件にまたしてもお世話になることにしました。再びの出戻りです。

入る案件もまったく同じなので、常駐先プロパーの方々も同じメンツ。

「すみません、またしても出戻りですが、よろしくお願いします!(テヘペロ)」

と、そしらぬフリで以前と同じ仕事に取り掛かります。

先方にしても、外注さんのメンバーが入れ替わるというのは割と普通にある話なので、知ってる人の方が安心感がある、ぐらいの感覚なのでしょう。白い目で見られることもなく、すんなりと元の現場に戻ることができました。

この時点では、自分の夢はコンサルタントとして独立することであり、エンジニアとしての仕事は食べるため仕事なのだ、そう考えていました。

スキルの低さと焦燥感とIT勉強会

さて、この案件。途中で抜けた時期はありましたが、その期間を差し引いてもトータルで4年ぐらい関わっていた計算になります。

主にC#を触っていたんですが、パッケージ製品にパッチを当ててお客さんの本番環境にリリースするだけ、というなんとも技術レベルの低い内容でした。もちろん、業務ロジックに合わせて調整が必要なので、単純作業ではないんですが、言語等のスキル面から考えると、ずっと同じことの繰り返しで成長の実感は得られません。

さすがにこの仕事内容だと、エンジニアとしてはかなりまずいレベルだな、と自覚していました。Windowsアプリケーションの世界にずっと居たため、Web系のスキルもほぼゼロという状態。この先どうなるか分からないけれど、エンジニアとしてのスキルも上げていかないとまずそうです。

そんな焦りもあり、自分でWebサービスをつくれるようになろう、とPHPを独学で学び始めます。

Rubyの方がニーズは高いのだろうか?と迷いましたが、結局PHPを選択。マーケティングコンサルタントを目指していた流れで、サイト制作のお仕事をいくつかお請けしており、PHP製のWordPressに慣れていましたし、Webサービスをつくるなら、WordPressとの連携もさせたいな、と思ったのがPHPを選んだ理由です。

こうして、自ら学びつつ、徐々にプログラミングでものをつくることの楽しさを再発見していきます。

PHP、Laravel、JavaScript、Vue.js … 今まで知らなかった技術を学びながら、動くものを作っていく。このドキドキするような感覚は、クリエイターとしての喜びを思い出させてくれました。

また、同じ時期に、地元のIT勉強会にも参加するようになり、周りの話についていけない自分に気づきます。ここ最近のフレームワークや、フロントエンドの移り変わりの速さに驚きながら、さらに自分のレベルの低さを認識させられました。

学ばなければならない大量の情報に圧倒されながら、「こんな早い流れに自分はついていけるのだろうか?」という不安を抱えつつ、 手を動かし、コードを書いていきます。そしてそれが動いた時、不安が達成感に変わる…。そんなループを繰り返していたように思います。

自分、何がしたかったんだっけ?

こうしてプログラミングの面白さを再発見する中で、ふと思ったのです。それまで目指していたマーケティングコンサルタントという仕事は、おそらく自分に合っていないんだろうな、と。

もともと、マーケティングコンサルタントを目指した理由は、「自分自身が経営者として生きていくなら、最も重要なスキルは”売る”スキルだ」と考えたからです。いわゆる「営業マン」の方々のように、飛び込み訪問するような勇気は持ち合わせていませんが、ネット広告も浸透してきたこの時代であれば、ネットマーケティングなら自分にも出来そうです。

そう思い、ITに強いマーケティングコンサルタントを目指したのですが、基本的に小心者なので、自分のことをアピールするのが苦手です。とは言え、仕事を獲得するためには、自分の良い面をPRしつつ、多くの人に伝えていかなければなりません。

頭では論理的に考え、自分のサイトを魅力的に見せたり、数少ないクライアントさんにインタビューしたり、ネット広告にも投資したり、と、それなりにアクセルを踏んでいるつもりでした。

でも、心の奥底でブレーキを踏んでいる状態だったのかもしれません。うまくいかないまま、モヤモヤとした気持ちが長く続いていました。

その一方で、何かをつくり出すクリエイターでありたい、という気持ちはずっとありました。

再度、プログラミングに取り組み、新しい技術を覚えつつ、チュートリアルに取り組んだり、動くサンプルを作ったりしながら、純粋に「楽しい」感覚を思い出していました。

そんな中で、気づいたのです。やっぱりプログラミングって楽しいな、と。

 

行ったり来たりで読者の方には呆れられている気がしますが、こうして「なんか進む方向、間違えてたみたい…」という感覚が腑に落ちました。

自分の方向選択が間違っていたことを認めることで、晴れた気分でエンジニアの道に戻ることを決めました。

とは言え、やはり単に使われる人にはなりたくない、という思いが強くあり、となると次の目標は「Webサービスを立ち上げて、きちんとマネタイズし、それだけで生活できるレベルに持っていく」といったところでしょうか。