Web系エンジニアへの転身

2021/08/15

さて、方向転換が決まり、エンジニアとして活動を再開するとなれば、今度は「いかに仕事環境をより良いものにしていくか?」についても考えなければなりません。

なにしろ、このまま行くと、

・100%エージェントに依存

・選べる案件は、経験のある Java や C# のみ

・紹介される案件は、ほとんどが客先常駐でスーツ着用

・地方なので、単価が低い

という状態を延々と繰り返すことになります。

もちろん案件によって常駐場所や単価はさまざまですが、基本的な働き方は何も変わりません。

以前であれば、「まぁ、こんなもんかー。十分生活は出来るし、年収換算したら平均から少し上ぐらいだと思うし…」と妥協しつつ、そのままのワークスタイルを続けていたかもしれません。

ですが、IT勉強会に参加するようになったり、Twitterを通じていろんなエンジニアの方と交流が増えていく中で、

・Twitter経由で仕事の依頼があり、企業から直接仕事を請けている

・地方在住なのでフルリモートワークで仕事をしている

・週3と週2などの複業という形で案件に入っている

そんなエンジニアがちらほら居ることに気が付き始めました。

隣の芝生が青く見えるだけなのかもしれませんが、随分と羨ましいワークスタイルです。自分もそうなりたい!と思い、実現するためにはどうすれば良いのか?を考え始めました。

「Web系」のハードル

おりしもエンジニア不足に拍車がかかる売り手市場。そしてリモートワークという単語がかなり浸透していたタイミングでした。

フリーランスエンジニア向けの案件検索サイトも増えてきて、「リモートワーク可」といった条件でもちらほらヒットします。

ですが、そういった案件は、たいていが Ruby On Rails だったり CakePHP や Laravel といった、いわゆる「Web系」のスキルが求められます。

自分が経験している Java や C# では、リモート可の案件はまずみかけません。サーバーは基本オンプレミス、デプロイは手動、お堅い企業で使用されている技術スタックしか経験がない自分にとって、かなり厳しい状況です。

これはもう、自分のスキルセットをガラッと変えていくしかないなぁ…。そう思い、平日の夜や土日の空いた時間を使って、Laravelの勉強を進めていきました。

また、自分のサイト上でも、ダメモトで「ゆる募:Web系のお仕事募集」の記事を掲載し、試しに Twitter で #Twitter転職 のハッシュタグを使って募集をかけてみたりもしました。

が、もちろん、そうそう上手く行くはずもなく、手応えはゼロ。 #Twitter転職 のハッシュタグを眺めていると、20代後半ぐらいの経験を積んだWebエンジニアが投稿した転職希望ツイートに、いくつもの「弊社、積極採用中につき興味あります!詳細DMさせて頂きます!」といった企業からのオファーリプライがついていきます。そんな様子を横目にしながら、さすがに自分の経歴じゃ難しいかな…と弱気になっていました。

契約終了のお知らせ

そんな折、丁度良いタイミングなのか、エージェントさん経由で「今度の3月末で契約終了になる」との連絡がありました。

うーむ、これはのんびり「ゆる募」とか言っている場合ではありません…。

早速、これまで長くお世話になってきたそのエージェントさんにお会いして、次をどうするか?の相談です。

こちらの希望としては、できればPHPのWeb系案件に入りたいこと。また東京の方では週3日、4日の案件も増えてきているようで、そういった案件だとかなり嬉しい、とわがままをそのままお伝えしました。

が、予想はしていたものの、そのエージェントさんは地元のお堅い職種が得意。やはりWeb系の案件は少なく、なかなか難しいとのこと。

自分としては、焦って今までと似たような案件に入るよりは、たとえ仕事が途切れてしまっても希望に近い案件に入りたいということもお伝えしました。また、現在は自分の方でも案件を探しており、もし良い仕事が見つかれば、御社からは離れる可能性があることも。

客観的に見れは「そりゃあんた、ちょっと無理じゃないの…?」というわがままをそのままお伝えしてしまったので、さすがに呆れられるかな…と心配もありましたが、「ともあれ一度探してみます」と仰っていただき、その場はお開きとなりました。

職務経歴書をブラッシュアップ

さて、エージェントさんには希望を伝えたものの、実現するのはかなり難しそうです。テレをごまかして「ゆる募」なんて書いている場合ではなく、本気で仕事を探さなくては…。

まずは、受け皿となる自サイトの整備です。

自分のプロフィールや経歴をブラッシュアップし、さらに MENTA ( https://menta.work/ ) というサービスでフリーランスのWebエンジニアの方に有料で相談したりもしました。

その時にお聞きした中で重要だと感じたのが、職務経歴書の見せ方。ずいぶん昔に書いたフォーマットに沿って、そのまま書き足し続けたものになっていました。

これを見やすくしつつ、さらに「少しだけやったことある経験」もきちんと書き込むようにしました。

経歴上、Java や C# の経験が殆どなのですが、

・知人から請け負った WordPress プラグインの改修+課金APIとの連携

・知人から請け負った、PHPで作られた独自ECサイトの改修

と言った、「平日の夜や土日を使って、副業的に請けたお仕事」も追記していきました。

これにより、ほんの少しですが「PHPの経験もありますよ」というのが伝えられるようになったかと思います。

そんな風にして、自分のサイト上で自分自身のプロフィールを更新しつつ、Wantedlyで良さそうな企業にアプローチしてみたり…。

ですが、そもそも返信すら頂けなかったり、返信があっても丁重にお断りされたり、はたまた、訪問して面談までしたけれど「また機会があったらお声がけしますね」と社交辞令で終わったり…。そんな日々が続きました。

甘い罠?

さて、しばらくしてから、先日のエージェントさんから連絡がありました。

「少しだけ希望に沿えそうなのが見つかりました。言語はJavaなんですが、週4日の勤務でもOKの現場です。先方もお急ぎで、1週間以内にお返事いただけますか?」

とのこと。

うーむむ、確かに業務内容は自分の希望とズレていますが、名古屋圏で週4日勤務OKというのは割と珍しい…。その電話で月単価もお聞きしましたが、相場より少し良いぐらい。トータルで考えても、かなり魅力的です。

うーん、これは迷います…。

まずはこの美味しそうな案件に入り、今まで通り仕事をしながら、週に1日は学習とアウトプットの時間に充てる。それを継続して、次の機会を待つ…。これなら金銭面で不安を抱えることもなさそうです。

ですが、一度案件に入ってしまうと、いつ抜けられるか分かりません。電話で詳しくは聞けませんでしたが、すぐに終わる案件ではなさそうでした。

さて、どちらの道を選ぶべきか…。

「分かれ道があった時には、大変そうな道を選んだ方がいい。」

自分の経験上、そんな風に思っていたこともあって、自分の力で別の道を探してみることに決めました。

「何日か待ったとしても、おそらくこの考えは変わらないだろうな…」そう思い、すぐにお断りの電話を入れたのでした。

怪しいTwitterアカウント

それから数日後、Twitterに投稿していた「お仕事募集」ツイートにコメントがありました。

初期アイコンのまま、ツイートも殆どなしのかなり怪しいヒトからです。

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こんにちは。

社内向けのシステム開発で2019/04~のPHPの技術者を探しています。

よろしければ一度お話させていただけませんでしょうか。

希望として慣れるまでは常駐が良いですが

ある程度把握されたあとであればリモート大丈夫です。

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な!なんと!!

まさにチャンスではありませんか。丁寧にお返事しつつ、DMで面談の日程を調整します。割とお急ぎのようで、翌日の夕方に訪問+面談が決まりました。

翌日になり、定時ダッシュで指定の場所に向かいます。

チーフエンジニア(マネジメントと実装を兼務)とエンジニアのお二人に面談いただき、お仕事内容をお聞きしつつ、自分のこれまでの経歴をお話します。

PHPの経験については期間が短いこと、また、経歴書に記載はしているが、副業的に知人から請け負った案件であることも、きちんとお伝えしました。

また、最後にプログラミングの基本的な知識に関する質疑応答の時間がありました。内容としては、値渡しと参照渡しの違いや、基本的なデザインパターンなどを口頭で説明するというもの。難易度は高くないのですが、改めて説明するという機会はこれまでになく、かなりどぎまぎしながらの受け答えになってしまいました。

お二人ともとても穏やかな方で、終始気持ちよくお話ができ、割と手応えの感じられる面談だったのですが、さてどうなるのか…。

「出来るだけ早く結果をお知らせしますね」と言われたものの、割と大きな会社だったので、それなりに時間がかかりそうです。

気長に待つか…と思っていたその夜、さっそくメールが届きました。取り急ぎの面談のお礼だけだろうなー、と思って読んでみると、「是非来月からお願いします!」との文字が。

なんとスピーディーな…。驚きつつ、ともかく次の案件として PHP のお仕事に入れることが決まったようです。いやー嬉しい!

コラム: 探す方も大変なのだそうで…

この時にお話していた中で印象的だったのが、

「いやー、名古屋でPHPできる人探すの、すごく大変なんですよ…」

というお言葉でした。

仕事を探す側は「名古屋にPHPの案件なんて少ないだろうなぁ…」と思いつつ必死に探すわけですが、エンジニアを探す側もまた同じなんだなぁ、ということに気づかされました。

何がきっかけでお声がけ頂いたんですか?とお聞きしたところ、

「Twitterで 名古屋+PHP+準委任 のキーワードで探したら出てきたんです。」

とのこと。世の中、何がきっかけになるか分からないものです…。何もしなければ可能性はゼロ。ともかく何かのきっかけで自分に辿り着いてもらえるよう、アウトプットしておくことはとても大切なのだ、と身に染みた出来事でした。